「中学生の英語は、どうやって勉強すればいいの?」
「単語や文法を勉強しているのに、なかなか成績が上がらない」
「高校受験に向けて、今の勉強法のままで大丈夫?」
このような悩みを持っている中学生や保護者の方は多いと思います。
私は長年、英語講師として中学生を含む多くの学習者を指導してきました。
その経験から感じるのは、英語は「たくさん勉強すれば伸びる」というより、基本的なことを正しい方法で繰り返した生徒ほど強くなるということです。
特に中学生の英語では、
- 単語
- 教科書の音読
- 文法
- 問題演習
- 英文を英語の語順で理解する練習
- リスニング
- ライティング
をバランスよく続けることが大切です。

この記事では、英語が苦手な中学生でも実践できる英語勉強法を、長年の指導経験をもとに具体的に紹介します。
1.中学生の英語は、まず「単語」をしっかり覚える

中学生の英語学習で、まず大切なのが英単語の暗記です。
文法を理解していても、英文に出てくる単語の意味が分からなければ、文章を読むことはできません。
リスニングでも同じです。
知らない単語は、音として聞こえてきても意味を理解できません。
そのため、中学生のうちは「単語力」をしっかり作っておくことがとても重要です。
ただし、英単語を覚えるときに、
「英単語を見て、日本語の意味だけを覚える」
という方法だけでは十分ではありません。
私がおすすめしているのは、
という方法です。
たとえば、
important
important
important
と単にノートに何度も書くのではなく、まず正しい発音を聞きます。
そして、
「important(重要な)」
と声に出しながら書きます。
目だけでなく、
- 耳
- 口
- 手
- 目
を一緒に使うことで、記憶に残りやすくなります。
また、スペルだけではなく「音」も覚えているので、リスニング力にもつながります。
単語は1回で覚えようとしなくていい
英単語は、一度覚えても忘れるのが普通です。
大切なのは、忘れないことではなく、何度も思い出すことです。
1日目に覚えた単語を、
- 翌日
- 3日後
- 1週間後
にも確認してみてください。
少しずつ長期記憶に残るようになります。
中学校の教科書に出てくる基本単語は、高校英語でも何度も登場します。
中学生のうちにしっかり覚えておくと、その後の英語学習がかなり楽になります。

2.教科書は「覚えてしまうくらい」音読する

中学生に特におすすめしたい英語勉強法が、教科書の音読です。
私は長年英語を教えていますが、中学生の英語学習では、教科書をもっと活用してほしいと感じています。
学校の教科書には、
- その学年で覚える単語
- 大切な英文法
- 基本的な英語表現
がバランスよく含まれています。
つまり、非常によくできた英語教材なのです。
まず音声をしっかり聞く
いきなり自己流で読むのではなく、まず教科書のCDや音声を聞いてください。
そして、できるだけその音声をまねします。
大切なのは、単語を一つずつ読むことではありません。
英語の、
- 発音
- リズム
- 強弱
- イントネーション
までまねするつもりで読んでみてください。
最初はゆっくりでも構いません。
何度も音声を聞きながら音読していくと、次第に自然な英語のリズムが身についてきます。
日本語訳を思い出しながら読むのではなく、意味をイメージする
音読するときには、もう一つ大切なことがあります。
それは、英文の意味を頭に思い浮かべながら読むことです。
英語を読みながら、
「この英文の日本語訳は何だったかな?」
と考えるのではなく、場面や意味をそのままイメージします。
たとえば、
Tom plays soccer after school.
という英文なら、
「トムは/します/サッカーを……」
と文法分析しながら読むのではなく、
「放課後にトムがサッカーをしている場面」
を思い浮かべます。
これを繰り返していくと、英語を英語のまま理解する感覚が少しずつ身についてきます。
私は生徒にも、教科書本文を覚えてしまうくらいまで読んでいいと伝えています。
暗記そのものが目的ではありません。
何度も音読した結果、自然と口から英文が出てくる状態を目指すということです。
これはリーディング、リスニング、スピーキング、英文法のすべてに効果があります。
3.英文法は「あいまいな理解」のまま進まない

中学生の英語で、もう一つ非常に大切なのが英文法です。
英語が苦手になっている中学生を見ていると、
「何となく分かる」
という状態のまま次の単元に進んでいるケースがよくあります。
しかし、中学校の英文法は積み重ねです。
たとえば、
be動詞と一般動詞の違い
がよく分かっていないまま、
過去形、現在進行形、助動詞、不定詞、比較などへ進んでしまうと、だんだん混乱してきます。
そのため、文法はできるだけ、
「なぜこの答えになるのか説明できる」状態
まで理解することをおすすめします。
問題を解いた後が一番大事
文法問題では、正解したかどうかだけを見る生徒が多いのですが、本当に大切なのは間違えた問題です。
間違えたら、
「正解はBだった」
だけで終わらせないでください。
必ず解説を読んで、
「なぜ自分の答えではダメだったのか」
まで確認します。
たとえば、
He play tennis.
を間違えたのであれば、
「正解はplays」
だけではなく、
「主語がHeで現在形なので、一般動詞にsが必要」
と説明できるところまで理解します。
この習慣がつくと、同じ間違いが少しずつ減っていきます。
4.問題集はたくさん買わなくていい

保護者の方から、
「どの問題集を買えばいいですか?」
と聞かれることがあります。
私自身は、たくさんの問題集を買う必要はないと考えています。
むしろ、
「評判が良さそうだから」
「成績が上がりそうだから」
と何冊も買い、どれも途中までしか解かないほうが問題です。
おすすめは1〜2冊です。
一冊は、
自分にとって比較的解きやすい問題集。
もう一冊は、
少しだけ難しいと感じる問題集。
この組み合わせがおすすめです。
そして重要なのは、1回解いて終わりにしないことです。
同じ問題集を繰り返す
1回目では間違えた問題も、2回目にはできるようになります。
しかし、本当に理解できているかどうか確認するために、少し時間を空けてもう一度解きます。
3回目に迷わず正解できれば、かなり定着してきたと考えていいでしょう。
英語学習では、
10冊の問題集を1回ずつ解くより、良い問題集を1〜2冊選び、何度も解く
ほうが効果的だと私は考えています。
特に英語が苦手な中学生には、この方法をおすすめします。
5.長文は「英語の順番」で意味を取る

英語の長文が苦手な中学生は、
英文を全部読んでから、日本語に並べ替えようとする
ことがあります。
しかし、この読み方では英文が長くなるほど時間がかかります。
高校受験やその先の大学受験まで考えると、少しずつ英語の語順のまま理解する習慣をつけたほうが有利です。
たとえば、
I went to the library with my friend after school.
という英文を、
「私は放課後、友達と図書館へ行きました」
というきれいな日本語に組み替えてから理解するのではなく、
I went
→ 私は行った
to the library
→ 図書館へ
with my friend
→ 友達と
after school
→ 放課後
というように、前から意味を取っていきます。
特に、
- to
- with
- for
- from
- at
- in
- on
などの前置詞をひとまとまりとして理解する癖をつけると、英文が読みやすくなります。
この読み方はリスニングにも効果がある
実はこれは、リスニング力にも大きく関係します。
会話では、英語を最後まで聞いてから頭の中で語順を並べ替える時間はありません。
聞こえてきた順番に意味を理解する必要があります。
普段から英文を、
英語の順番のまま理解する
練習をしておくと、リスニングでも英語が以前より素直に頭に入ってくるようになります。
長文読解とリスニングは別々の技能に見えますが、実際にはかなりつながっています。
6.NHKのラジオ英語講座を毎日聞く

リスニング力を伸ばすために私がおすすめしている方法の一つが、NHKのラジオ英語講座を毎日聞くことです。
英語は、週末に2時間まとめて聞くよりも、毎日少しずつでも英語に触れるほうが習慣化しやすくなります。
NHKの英語講座は、レベルに合わせて選びやすく、中学生でも取り組める講座があります。
重要なのは、「聞くだけ」にしないことです。
できれば、
- まず聞く
- 英文を確認する
- 意味を理解する
- 音声をまねして声に出す
- もう一度聞く
という流れで勉強してみてください。
毎日続けていると、
「以前は聞こえなかった英語が聞こえる」
という瞬間が少しずつ増えてきます。
語学学習では、この「少しずつ」が非常に大切です。
1週間で劇的に変わらなくても、半年、1年と続ければ大きな差になります。

私も中学生の時、毎日基礎英語を聞いていました。
7.毎日の出来事を英語で日記に書く

中学生には、ぜひ簡単な英語日記にも挑戦してほしいと思います。
難しい文章を書く必要はありません。
たとえば、
Today I played tennis with my friends.
It was very hot.
I was tired, but I had fun.
この程度で十分です。
その日に学校で習った表現を一つ使ってみるのもおすすめです。
英語日記を書くと、
「この日本語は英語でどう言えばいいんだろう?」
という疑問が出てきます。
この「自分が言いたいことを英語にする」経験が、英語力を伸ばしてくれます。
AIに添削してもらうのもおすすめ
現在はChatGPTなどのAIを英語学習にも活用できます。
自分で書いた英文を入力して、
「中学生にも分かるように間違いを説明してください」
と頼めば、英文を添削してもらえます。
ただし、最初からAIに英文を書いてもらうのではなく、必ず一度自分で書くことが大切です。
おすすめは、
自分で書く
↓
AIに添削してもらう
↓
なぜ間違っていたのか確認する
↓
正しい英文をもう一度自分で書く
という使い方です。
AIは「答えを作ってもらう道具」ではなく、自分の英語を改善するための先生役として使うと、とても便利です。
英語が苦手な中学生ほど「毎日少しずつ」が大切

ここまでいくつかの英語勉強法を紹介しましたが、すべてを一日でやる必要はありません。
たとえば平日なら、
- 英単語:10分
- 教科書音読:10分
- 文法・問題集:15分
- NHKなどのリスニング:10〜15分
- 英語日記:5分
程度でも十分です。
重要なのは、1日だけ2時間頑張ることではありません。
短い時間でも、英語に毎日触れること。
英語はスポーツや楽器と似ています。
一度理解しただけで完全に身につくものではなく、何度も使うことで少しずつ定着します。
中学生の英語勉強法で大切な7つのポイント

最後に、この記事の内容をまとめます。
中学生の英語学習では、
- 英単語は音声を聞き、声に出しながら書いて覚える
- 教科書は音声をまねし、意味をイメージしながら何度も音読する
- 英文法はあいまいにせず、「なぜそうなるのか」まで理解する
- 問題集は1〜2冊に絞り、何度も繰り返す
- 英文は前置詞などのまとまりを意識し、英語の語順で理解する
- NHKのラジオ英語講座などを利用して毎日英語を聞く
- 簡単な英語日記を書き、AIを添削に活用する
ことをおすすめします。
長年英語を教えてきて感じるのは、英語が伸びる生徒は必ずしも「特別に英語が得意な生徒」ではないということです。
むしろ、
分からないところをそのままにせず、基本的な学習を何度も丁寧に繰り返せる生徒
が少しずつ強くなっていきます。
中学生のうちに、単語、音読、文法、リスニングといった基本的な英語勉強法を身につけておけば、高校受験だけでなく、その先の高校英語や大学受験、英会話にもつながります。
まずは今日から、英単語10個、教科書の音読5回など、小さなことから始めてみてください。
