英語の単語を昨日一生懸命覚えたのに今朝起きたら、ほとんど忘れてしまっていてあせった！
たくさん覚えた英単語も次の新しい勉強をしているとすっかり忘れさっていてやる気がなくなる！
それはみんな悩んでいますね。人間の脳は一度習っても復習しなければ、翌日には、なんと８０％は忘れているといいます。
それでも単語テスト、定期テスト、受験と英単語は覚えていかなければなりません。
この記事では、私も使っている効率のいい英単語の記憶術をお伝えします。
2024年６月28日 小学５年生の男の子が英検２級に合格しました。おめでとうございます。
2024年２月 中学２年生と高校１年生が英検２級に合格されました。おめでとうございます。
英語と日本語講師の教育課程で習ったエビングハウス
英検対策レッスンで英単語の宿題を出し、レッスンの最初に確認テストをするのですが、単語が覚えられなくて泣きながらスタートするお子さんが数名います。
授業前にあわてて覚えるのですが、１度覚えただけでは、すぐに忘れてしまい、なかなか効果が表れないのです。せっかく単語を覚えたのにすぐ忘れちゃうので嫌になってしまうのですね。
そんな生徒さんにはいつも、人間はすぐに忘れてしまうのが普通だから、繰り返しやればいいよとお伝えしています。
人間の脳は一度覚えただけでは、「短期記憶」に入っただけで、すぐ忘れてしまいます。例えば、知らない人の電話番号をとっさに覚えて電話をかけて、すぐに忘れてしまうような感じです。
「短期記憶」を一生忘れない「長期記憶」にしていくには、繰り返しの勉強が必要です。
ただ、いいタイミングと勉強時間があるので、らくに長期記憶に入れて、合格を勝ち取っていけるような勉強法をお伝えしますね。
単語や文法を制覇して英検や受験に成功したら、以下のように有利なことがたくさんあるので、今日の記事をぜひご活用くださいね。
英語と日本語のプロ講師になる時、カリキュラムの中でドイツの心理学者エビングハウスの忘却曲線について学びました。
エビングハウス理論をうまく活用することで「勉強したのに忘れる」に打ち勝っていくことができます！
ポチップ
ドイツの倫理学者エビングハウス
ヘルマン・エビングハウスは1850年1月24日にドイツで生まれました。1867年にボン大学に入学し、やがてベルリンとハレに移りました。最初は歴史と文献学に興味を持っていましたが、次第に哲学に惹かれるようになりました。
1870年に普仏戦争が勃発すると、エビングハウスはプロイセン軍に入隊しました。しかし、1871年の春に軍を離れ、ボンで哲学の研究を続けることにしました。1873年8月16日に博士号を取得し、卓越した成績で試験に合格しました。
1885年に『記憶：実験心理学への貢献』を出版し、この出版が評価され、同じ年に教授に任命されました。
1886年には、ベルリン大学に実験心理学研究所を設立しました。その後、エビングハウスは『感覚器官の心理学と生理学のための雑誌』を創刊し、心理学研究の国際的な発展に貢献しました。
エビングハウスの研究
エビングハウスは、単語のリストを暗記し、何語思い出せるかをテストすることから始めました。彼は標準的な単語形式の子音-母音-子音で、全て3文字の「無意味な音節」を2,300個作成しました。
例えば、「ZUC」と「QAX」などです。
これらをリストに分け、各音節をぱっと見てから、リストをもう一度見る前に15秒間停止。正しく暗記できるまで繰り返しました。異なる長さや学習間隔を試し、学習と忘却の速度を観察しました。
それから、エビングハウスは、詩などの意味のあるものは、無意味なリストよりも10倍簡単に覚えることができることを見出しました。
また無意味な音節を繰り返す回数が多いほど、覚えた情報を思い出すのに必要な時間が短くなることにも気づきました。さらに、リストを暗記する際に最も効果的なのは最初の数回の繰り返しであると述べました。
忘却の証拠として自分の結果を見ると、覚えたことを最も効果的に行うのは、学習直後であることも分かりました。
また、エビングハウスは記憶保持させるための意外なパターンを見出しました。最初の1時間で非常に急速に記憶が失われ、その後少し遅れて記憶が失われる傾向があるため、9時間後には覚えたことの約60％を忘れてしまいます。
24時間後には、覚えたものの約3分の2を忘れてしまいます。これをグラフにすると、明確な「忘却曲線」が現れました。忘却は、急激な減少から始まり、その後は緩やかになります。
復習しないと、単語をちょっと覚えても上の黒い線のように最初の24時間後にはまるで何もなかったかのように忘却のかなたへ。
でも授業の直後1時間ぐらい勉強、1日後にまた30分ぐらい復習、1週間後に20分ぐらい復習、1か月後に15分復習、、、というように繰り返し、忘れる波が来る前に復習すれば、100％近く覚え続け、最終的に「長期記憶」に入ります。
うまく活用すると効率よく暗記できそうですね！
ニュースによると、高校１年生で行政書士に合格した人がこの忘却曲線を使って暗記していたそうです。
忘却を防ぎ、記憶力を向上させる４つの方法
エビングハウスの研究で、情報を長く保持する秘訣が明らかになりました。
このセクションでは、記憶力を向上させるために使える4つの戦略を紹介します。
以下の記事を参考にしました。
https://www.mindtools.com/a9wjrjw/ebbinghauss-forgetting-curve
1. 分散学習
エビングハウスの忘却曲線を参考にして、授業の復習を当日、翌日、2日後、1週間後、1か月と定期的に復習します。すると、1か月後でもすべての重要な情報を覚えておくことができます！
戦略的に復習することで記憶が強化します。
繰り返しとなるとちょっと大変そうですが、習った当日と翌日にしっかり復習しておけば、後は1週間後、1か月後と意外と毎日勉強しなくていいんです。
ただ習った直後や翌日に復習しておかなければ、記憶の忘却速度は上のようにすさまじくゼロに近づくので、後々苦労します。
楽に覚えるには、習ってからすぐの勉強が大事！
2. 限界に挑戦
エビングハウスが探究したもう1つの戦略は「自分の限界に挑戦すること」です。
つまり、何かを学ぶ際にいつも以上の努力をすること。そうすると、記憶保持力が向上し、忘却曲線上で見られる急激な忘却の減少が緩やかになるのです。
また、上記の記憶戦略を使用することで、難しい情報でも記憶し続けられることがわかっています。
エビングハウス理論によると、復習する時、「ちょっとがんばってみる」ことが大事です。
長時間だらだら勉強しなくていいので、授業の内容や単語を短期集中でしっかり覚える！
自分の限界を少し超えてるかもと思うぐらいにやってみると、しっかり定着します。これは私も経験から納得しています。
3. 意味を持たせて覚える
関連性を持たせて覚える工夫をしたり、勉強内容が長期的にどのような利益をもたらすかを意識するほど、記憶脳はそれを優先的に覚えてくれます。
気を散らすものも遠ざけるようにとエビングハウスは言っています。
例えば、英検準１級を取って、大学受験に活かし、大学生活ではテニスサークルに入ってたくさん友達を作り、大学生の間に英語を活かしてアメリカに留学。そしてアメリカ人の友達をたくさん作ろうなど覚えている内容が将来の役に立つことを明確に意識しながら覚えます。
すると、脳は大事なことだと認識し、優先的に記憶に残ります。
また、勉強中はゲームを遠ざけたりスマホを違う部屋に置くなど集中しやすい環境を作ることが大事です。
4. 記憶に挑戦
復習してみて、たくさん忘れていることに気付いても、絶望しないでください！
復習している限り、少しずつ記憶は蓄積しています。忘れているのに勉強しつづけることはきついのですが、精神的に打ち勝つと記憶はより強固になります。
もし友達と一緒に勉強するなら、インタラクティブに勉強することも効果的です。例えば、質問しあったり、勉強した内容を相手に説明できるほど記憶し理解できているか試したりしてみるのがおすすめ。
英単語記憶術まとめ
- 分散学習
- 限界に挑戦
- 意味をもたせる
- 記憶に挑戦しつづける
英単語を勉強するのは苦しいけれど、その記憶は、後で英語を活かして成功するための財産となります。
